退去費用の「相場」より大事なこと — 内訳と計算のしくみ
「退去費用 相場」と検索したくなったら、少し待ってください。退去費用は物件や住み方で大きく変わるため、平均額との比較はあまり役に立ちません。役に立つのは「金額がどう決まるか」を知ることです。
退去費用の中身は2種類だけ
精算書の項目は、突き詰めると次の2つに分かれます。
- ① ハウスクリーニング — 原則は貸主負担。通常の清掃をしていれば、退去後の清掃は「次の入居者のため」のものだからです。借主負担になるのは、掃除を怠っていた場合か、有効な特約がある場合です。
- ② 修繕・交換費 — 「普通に住んでいて傷んだ分」(経年劣化・通常損耗)は貸主負担。「わざと・うっかり・放置」で傷めた分だけが借主負担です。
つまり「請求書に載っている=払う義務がある」ではありません。1項目ずつ、原因と負担区分を切り分けるのが出発点です。
借主負担でも満額ではない — 経過年数の控除
借主に原因がある損耗でも、内装や設備の価値は年々下がるため、国交省ガイドラインでは住んだ年数に応じて負担割合を減らす計算をします。
計算例1: クロス張替 6万円の請求・4年居住・うっかり傷が原因
クロスの耐用年数は6年 → 負担割合 = 1 −(48ヶ月 ÷ 72ヶ月)≒ 33% → 負担目安 約2万円
クロスの耐用年数は6年 → 負担割合 = 1 −(48ヶ月 ÷ 72ヶ月)≒ 33% → 負担目安 約2万円
計算例2: 同じ請求で7年居住の場合
耐用年数6年を超過 → 残存価値1円 → 負担目安 ほぼ0円(ただし故意に壊した場合等は作業費の負担があり得ます)
耐用年数6年を超過 → 残存価値1円 → 負担目安 ほぼ0円(ただし故意に壊した場合等は作業費の負担があり得ます)
この控除がされないまま「新品への張替代」を満額請求されているケースが、見直し余地の典型です。
敷金との精算
妥当な借主負担額が確定したら、敷金から差し引き、残りは返還されるのが原則です(敷金を超えれば追加払い)。「敷金は返ってこないもの」ではなく、精算して残れば返るお金です。
高いと感じたら、まずやること
- 内訳(単価×数量)のない「一式」請求なら、内訳の開示を求める
- 項目ごとに「原因は経年劣化か、自分の過失か」を切り分ける
- 過失分は経過年数の控除が効いているか計算する
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